子どもの仕上げ磨きは、何歳までやってあげますか?
「仕上げ磨きはいつまでするのがよいか」という疑問に対する答えは、歯科医によっても見解は異なり、明確な正解は実際には無いようです。
そこで、仕上げ磨きに対する考え方や、子どもの虫歯の特徴と予防策について、調べてみました。
《目次》
仕上げ磨きはいつまでする? に対する歯科医や家庭のさまざまな見解
「仕上げ磨きをいつまでするか?」という質問に対する各家庭の回答にはかなり差があり、「小学生になったら自分で」という家庭から、「小学生のうちは親がしっかりチェックする」など、仕上げ磨きに対する親の意識には、かなり差があるようです。
(親が必要性を感じていても、子どもが仕上げ磨きに応じるかどうかや、兄弟数の多さによって手が回らない場合もあるでしょう。)
いっぽうで、歯科医の多くは10歳~12歳くらいまでは仕上げ磨きをするよう推奨しているものの、実際の見解にはかなり差があるようです。
「小学生1~2年生までは仕上げ磨きをして下さい」という考えや、「小学生になったら、時々抜き打ちでチェックする程度」を薦める歯科医。「小学生のうちは、子どもが嫌というまで続けて下さい」という歯科医もいます。
最近子どもがお世話になった歯医者では、子ども自身に歯みがきをしっかりさせることが大切だと述べ、仕上げ歯磨きは時々で大丈夫だと言われました。(子どもは現在2年生です)
どうしてこのように、仕上げ磨きに対する見解に差が生じているのでしょうか。
それには、子どもの虫歯の特徴を知っておく必要がありそうです。
子どもの虫歯の特徴(厚生労働省の情報より)
子どもの歯は大人に比べて虫歯になりやすいことで知られています。
厚生労働省の情報によると、その理由のひとつとして、「生えて間もない歯は十分に硬くなっておらず、石灰化が完全に進むまでに生えてから2~4年かかるから」
とされています。
また、子どもの歯と一言で言っても、乳歯と永久歯とでは異なります。
<乳歯の虫歯の原因>
・哺乳瓶にジュースを入れて与える
・遅い卒乳時期
・仕上げみがきの開始時期が遅い
・フッ化物配合歯磨剤の利用開始時期が遅い
<学齢期の永久歯の虫歯の原因>
・子どもが自分で歯みがきを行う場合など、奥歯や新しく生えた歯で磨き残しができること
※小学生で発生するむし歯の8割以上が、歯ブラシの届かない奥歯で発生
6歳ごろには『第一大臼歯』が生えはじめ、小学生低学年のうちはまだ乳歯と永久歯が混在しています。
また、12歳ごろにはさらに『第二大臼歯』も生えはじめ、小学生の間は総じて歯並びに凹凸ができ磨きにくい状態が続き、虫歯ができやすい時期だと言えます。
仕上げ磨きに対する考え方と子どもの虫歯の予防策
小学生に上がると、身の回りのことを自分でできるようになり、歯磨きの習慣も定着してきます。しかし、小学生にうちは虫歯はできやすく、しっかり磨いていても、奥歯の歯と歯の間などに汚れが残りやすい状態です。
正しい磨き方ができるようになると言われている高学年になっても、少しでも磨き残しがであると、虫歯になってしまうことが多いようです。
そのため、乳幼児の頃の仕上げ磨きとは考えを変え、「磨き残しに対するフォロー」を意識する必要があります。
まずは、子どもがどの程度歯磨きができているかを確認してみましょう。
ステップ1)歯ブラシの動かし方が身に付いている
ステップ2)すべての歯に歯ブラシが届いている
ステップ3)歯の表面に磨き残しがない
ステップ4)フロスの動かし方が身についている
ステップ5)すべての歯と歯の間にフロスが届いている
ステップ6)歯と歯の間に汚れが残っていない
ステップ1のお子さんには、歯ブラシの届いていない歯を磨きつつ、磨き残しのチェックをします。「ここが磨けてないよ」など、子どもの様子を見ながら指導していきましょう。
ステップ2のお子さんには、磨き残しのチェックをしながら、徐々にすべての歯に磨き残しが起きないように指導していきます。
ステップ3のお子さんには、仕上げ磨きでは歯ブラシを使わず、フロスの使い方を教えながら、一緒にフロスで歯と歯の汚れを取るようにしていきます。
ステップ4のお子さんには、前歯のフロスは子どもにまかせ、仕上げ歯磨きでは奥歯のフロスだけに移行します。
ステップ5のお子さんには、仕上げ歯磨きタイムを、チェックタイムへ移行し、汚れが残っている箇所をチェックし、指導していきます。
ステップ6のお子さんには、チェックタイムを行う日を、2~3日に1度など様子を見ながら少しずつ間隔をあけていってもよいでしょう。
このように小学生への仕上げ磨きは、大人によるチェックやフォローで磨き残しを防ぎつつ、段階をおって子どもの歯磨きの精度を上げていくことを目的としましょう。
知っておきたい子どもの虫歯の特徴と、仕上げ磨き卒業までのステップを紹介いたしました。最近まで、私自身、ただ漠然と仕上げ磨きを作業として行っていました。
現在、我が子はステップ3なので、フロスの使い方を本格的に指導していきたいと考えています。
<最後までお読みいただき、ありがとうございました>
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