最近では行政の定期検診において、言葉の発達チェックについては1歳半から始まり、2歳で2語文、3歳で自分の名前が言えるか?等、発語の育成度合いについて敏感にならざるを得ない状況です。
言葉を育てることについては、テレビによる弊害や、本の読みきかせ等が有効だということは、よく知られていますが、実は、産まれてすぐからの家庭環境や、運動能力の発達との関係性も大きい様です。
《目次》
言葉が育つ環境とは
1)大人同士の会話
子どもに言葉が育っていくのは、本来は大人になりたいために、おとなの言葉を模倣し、大人と交流するためです。
そのため、言葉を育てるには、まず第一に、周囲の大人が楽しく語り合う姿を十分に持っている環境です。その会話に子どもの入りたいと感じる環境が必要です。
そして、大人が語り合う言葉を日常的に聞いてこそ、言葉を身に着け、対話力を発達させていくことができます。
2)大人からの働きかけ
二番目には、子どもの育ちに応じて、子どもに向かって大人が話しかけていく行動が大切です。無理に言わせようとしたり、押し付けたりは禁物です。
ゆっくり、はっきり、豊に話し、また聞き入るようにします。
また、子どもが何を言っているかわからなくても、何かを発しようとしている時は、必ず相槌をうつなど、聞き上手になることが大切です。
発した言葉が間違っていても、言い直しをさせたり叱ったりはいけません。
さりげなく、正しい発音を大人が発することで、それを子どもは真似て正しく発音できるようになっていきます。
3)親以外(友達など)の遊びを共にする人の存在
はなし言葉の語彙を増やしていく為には、親との会話ばかりよりも、友達などの存在が有効です。
友達との交流を通じて、普段聞きなれない言葉を新鮮に感じ、一気に言葉が発達していきます。
保育園や幼稚園に入ると、急にお話しが上手になったりするのも、その影響です。
言葉と運動能力との関係性
1)立つことと発語の関係
言葉を発するためには、まず呼吸運動の育ちが必要です。
人間は生まれてすぐは腹式呼吸を主としています。
やがて、寝返りやハイハイをし、立ち、歩くようになっていく過程で、抗重力筋の育ちとも合わせて、胸式呼吸が力強くできるようになり、胸式呼吸と腹式呼吸との組み合わせも発達していきます。
言葉の遅れる子は、胸式呼吸に遅れが見られがちだと言われます。
はう、立つ、歩く筋力や胸式呼吸が強いと、言葉が出やすく、発音も良くなります。
声帯は、本来気管へ食事や異物が入り込まないように守るための筋肉です。
ですから、直立をした人間は、特に声帯機能がいちじるしく発達したのです。
2)食べることと言葉の関係
つぎに、発声力を変化させていろいろな音を出せるのは、舌を中心とした口の働きです。口は元来、食べるための器官ですが、人間はそれを用いて話すことを発達させました。
かみにくい物もよく噛んで食べると、微細に強く働くようになり、歯切れがよく、発音もきれいになります。
3)手の動きと言葉の関係
音を文章化して話をさせるのは、計画性のある運動能力です。
計画性は、手を使って何か作業を行うなかで発達していきます。そのため、手の働きを器用になるように育てることは、言葉の発達に繋がっていきます。
大脳で、手の働きと言葉の働きは関係が深いのです。
まとめ
子どもは、母親のお腹にいる胎児の時から耳が聞こえていますから、妊娠中に母親が周りの。人と楽しく会話しているかどうか?から、早くも子どもの言葉の発達に少なからず影響を及ぼすことになりますね。
また、お腹の中の赤ちゃんに話しかけることも、充分に言葉の発達に好影響を与える様です。
☆最後までお読みいただきありがとうございます。
〈参考文献〉
『どの子もすばらしく育つみちすじ』河添邦俊・河添幸江著
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