学ぶ力を身に着けさせるために、幼児期に計算や文字書きを覚えさせるお母さんは多い様です。
また、それを促す為に、親が便利や道具や機械を買い与え、知識を詰め込むお膳立てをしてしまうことは、幼児期の学びたい、と要求を全く削いでしまう結果につながると、モンテッソーリの教えでは考えられています。
《目次》
自発的に学ぶ力の源とは
では、自発的に学ぶ力を身に着けさせるために、幼児期に適していることは何でしょう。
4才前後の子どもは「運動の敏感期」で、ありとあらゆる「動き」を身に着ける時期です。また、同時に知性のエネルギー(分析・集合・比較・対応などの論理数学的法則への興味と認識)が強く働きます。
子どもは、自分の思い通りに動きたいという要求を実現する為に、人の動きを注意深く観察したり、繰り返し繰り返し同じ動作を行ったりします。
「どう動けばいいのか」を自分で学び取っているのです。
したがって、この時期に、子どもが自分で「動き方」をよく見て、自分で取り組める様な機会をたくさん与えてやる事が、自発的に学ぶ力を身に着ける事につながるのです。
子どもが学びやすい「動作の見せ方」と教え方
子どもが自分でできるようになるまで、時間をかけて大人はじっと待つ、という忍耐力が必要ですね。子どもがなかなか出来ない事に対し、できるようになる為に大人が教える場合は、以下の事に気を付けましょう。
①動作を分析し、順序だてる
その動作をよく分析し、各部分ごとにどうなっているかをはっきり見せながら、正確にゆっくり、順をおって実行する。
②むずかしいところをハッキリさせる
大人自身が何度もやってみて、難しい所を確認するか、または子どもが必ずいきづまる所を見極めて、そこを特に丁寧に分析し、正確にハッキリ繰り返し見せる。
③動作を見せる間は言葉は使わない
だまってゆっくりとやる。
④正確に実行し、精密なところに心をこめる
子どもは、自分の行為を完成したいという強い望みをもっており、「正確に」「精密に」は完成する条件として、子どもの心を強くひきつける。
⑤教えながら教える
決して子どものやり方を訂正して教えてはいけません。子どもがしている動作を、とっさに手を出して、反射的に大人が訂正すると、子どもは自分の殻にこもってしまいます。あくまでも、教えて教えて、繰り返し教えます。
⑥自分からする自由を与える
やり方を教えた後は、それを実行するかどうかは、子どもの自由に任せましょう。大人は教えた後に子どもがやらないと、せっかく教えたのに、がっかりしてしまいがちですが、子どもは後々、自分がやってみたいと再び思った時に、教えてもらった事を思い出して出来るようになるものです。
子どもは、自分「やってみよう」と自発的に自分で考えながら自由にやってこそ、その行為を自分のものとして習得できるのです。
例えば、掃除を例にとりますと、大人は綺麗にする事を重要視しますが、子どもは掃除のやり方(動作)をよく知り、学びたがっているのです。
特に、自分の身の回りの事(朝の着替えや支度など)を動作をしっかりと自分のリズム
で身に着けた子は、小学校に入って必要性を自分で判断できる年齢になった時には、自分で見通しを立てて、自発的に行う力が備わっているといわれます。
だから、大人は、すぐに手を出して子どもの身代わりをしてやるのではなく、どんな援助が必要かを考えなくてはなりません。
「子どもがひとりで手伝う」ために大人が工夫し、努力することが大切なのです。
参考図書)お母さんの敏感期 相良敦子氏著(文春文庫)
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