3才ともなると、男の子と女の子との差がはっきりしてきます。
一番子供を接する機会の多いお母さんは、女性なので男の子の考えや習性に理解できない事も多々。。。
今回は、久保田のうけんのカヨ子ばあちゃんより、男の子の育て方について学びました。
《目次》
カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方
言わずも知れた、脳科学おばちゃん久保田カヨ子氏著が、2人の男の子を育てる際に実践したしつけについて記されています。
著者は、「親のさまざまな価値観をいかに子供へ伝えて(刷り込んで)いくか、親子の絆をどれだけ太くしていくか」を、子育ての醍醐味とし、歩き方からはじめ、感覚、生活リズムなど実に50項目におよび、経験談と考え方を述べています。
特に印象的だったもの、取り入れたいこと
1.転び方を教える
男の子なので活発であって欲しいと思いつつも、危なっかしい様子をハラハラしながら見守るのは神経が疲れます。ころんでも大けがに至らないよう、上手な転び方を身に着けさせるため、平衡感覚をうまく取り入れるような動きの遊びをさせます。
例)
・船酔いゲーム(一方向に急回転してさっと立ち止まり、フラフラするのをおもしろがる)
・目をつぶってでんぐり返しをして立ち上がる
2.子供同士のふざけ合いはとことんさせる
子供が集まると、ふざけてふざけて、何がそんなにおもしろいんだろうと思うほど興奮して笑い合ったりする事があります。
これも見ている親はハラハラしますが、家の中や公園など危険を排除した状態で大いにやらせます。
それにより、人によって疲れだす時間に差があること、体力の限界、頭脳の働きの限界や、自分がフラフラになってどれだけできるかの能力を体得することで、ダメージが出始める寸前に行動を切り替える知恵や、友達への思いやりやリーダーシップが生まれる
経験となるからです。
3.描いて表現する楽しさを早くから身に着けさせる
幼児の絵はいつも同じ大きさです。足や腰を動かして、肩を上下させて描くこと、視界を変えてみることなど、体を動かして描く感覚を体験させてあげる事が大切です。
息をとめて、全身を動かして、長い線を一気に描く。「ワー」と声を出しながら描く。「大きい丸を描いて」「小さい丸を3つ描いて」など課題を出す。
広い壁版や曇ったガラス、砂の上、小さな色紙、石ころなど、さまざま状況で描かせると幼児は素晴らしい吸収力を発揮します。
ものをしっかり見て、自分の思うとおりに手を動かして描く手の器用さを身に着けることが大切です。
4.動作を早くさせるために
着替えなど、自分でできる事が増えても、それらの動作を早く行うには、早くする必要性がないとできません。出かける前の時間がない時に、「自分でやる!」といいはって実にのんびりした動作で着替える様子に、イライラしてしまう事ってありますよね。
親が「早く!」と子供をせきたてる事は「悪」の様に感じ、親がグッと堪える努力をし、堪えきれずに爆発!なんて事になる前に、普段から遊びの中に取り入れて、スピードアップする練習が必要です。
親を競い合い、自分の能力に挑戦するおもしろさを感じてもらうのです。
「ママは片手でするから、ヨーイドン」「上からボタンをかけるのと、下からするのとどっちが早いかな?」と競争したり、ボタンが穴に入ったときに「ホイ」など掛け声でリズムをとり、動作を早めるようにします。
また、絵を描く動作など単純な動作を早くできる様にすることで、だんだんとごはんの食べ方なども早くなるようです。
手が器用でないと、早くすると乱暴になり雑になってしまいますが、そんなときは、ゆっくりと丁寧にすることへ逆もどりさせます。
5.工作で気をつけたいこと
便利なセロテープやホッチキスは使いすぎず制限すること。
のりを使って、紙に切口やのりしろ等を考えてつくり、のりが乾くまで待ち、その間次の手順を考える、という作業で、頭の使い器用さを身に着けます。
その中で、セロテープやホッチキスは、どこに使えば効果的か、1回の使用で足りるかを考えます。
6.一人っ子に競争心を育てる
「まだ小さいから仕方がないよ」となぐさめず、奮い立たせてください。「1日や2日ですぐにできるようにはならないよ。練習しないとね。でもお前はなかなかよくできるほうだよ。」と励まし、自分に挑戦しないとダメだ、という事を知らせます。
「ワー」と声を出して息の長さを競い合う、ボタンかけ競争、かるたやトランプなど、親と競う際にはハンデをつけ、親も懸命に競争します。勝った時は大げさに喜び、負けたらくやしさを表現し、親は「まだまだおまえなんかに負けるもんか」という態度を見せます。
競争中は、「あまりグーばかり出しちゃダメよ」「そろそろ坊主が出てきそうよ」など、先を読むヒントを与えてやります。ハンデの大きさについて話合うのもいいです。
7.目で見たものを言葉で表現させる
車など好きなものの図鑑を利用し、「ママは目をつぶっているから、その車のことをわかるように言って」と言います。
はじめは、「車の色は?」「ヘッドライトの形は?」などと質問に答えさせているうちに、だんだんと子供の説明だけで、どの車の事を指しているのか判断できるレベルまで、説明ができるようになります。
どんな知識でも、表に出すべきときに十分に出してこそ、評価を受け認められるのです。
8.子供の「なぜ?」への答え方
幼児はすばらしい吸収力をもっていて、興味のあるものは一言一句もらさず頭の中に組み込んでいくので、一言もいいかげんな答えをしてはいけません。
お母さんの答え方で、知能の伸びが大きく違ってくるからです。
丁寧に答えてやることができても、子供の疑問が広がるような答え方をします。
例えば、 「どうしてかなぁ」「きっとわけがあるね。学校へ行って、いろいろ勉強したらわかるようになるよ」「いまわからなくてもいいのよ。よく見ておいて」
「どうしてお空は青いの?」と聞かれたら、「どうしてかな。でも、あの青い空より、ずっと向こうの空の方がきれいね。雲のあるところは、どうして青くないんだろうね。きっとわけがあるだろうね」と疑問を出してやります。
また、「どうして赤ちゃんは泣くの?」に対して、「じゃあお前はどうして泣くの?きっとわけがあるのよ。でも言葉が話せないから、ママにわかってもらえないだろうね」とか、子供の方に答えを探させます。
安易に答えて終わりでは、答え以外の事を知らず終わり視野の狭い、思考力のない子供に育ってしまいます。
「それだけではないけどね」「もっと考えて」と促したり、「どうして犬の耳はとんがっているの?」と聞かれたことがあるなら、次に垂れた耳の犬がいたとき「前にとんがった耳の犬がいたね。もっと違った耳の犬がいるかな?」と思考を広げます。
「大きくなったらわかるよ」とその場をやり過ごした時には、後で同じような条件に出会った時に、いろいろ説明してやります。そして必ず新しい質問を出し、今度は子供に
考えさせるのです。
9.方向、空間、立体の感覚は4~5才までに身に着けさせる
自分の家の見取り図、スーパーのおもちゃ売り場の配置図、駅までの道路図などを描いて遊んだり、また、立体的なものを多方面から見せ、絵にして表現させたりする。
展開図で立体を表すことができることを知ると、立体をいくつも積み重ねた平面図から、下積みの立方体の個数を知るクイズ絵が解けるようになり、5才くらいで、はっきりした立体のイメージを抱くことができるようになります。
10.ケガで痛がる時の対応
ケガで痛がっている時は、「痛いわね」と哀れんだり「泣かないで」と言うのではなく、「痛けりゃ、もっと泣け。洗うときにしみるからね」等、大声で泣かせながら、手早く流水で冷やして、石鹸の泡をたたきつけて砂を流し取るなどの処置をするとよい。
その他、取り入れたいこと
・手指を鍛える(指相撲)
・臭覚を磨く(匂いあてクイズ)
・触感を磨く(目隠しして手で触り、何かを当てるクイズ)
・時間の感覚を身に着ける(砂時計を利用する)
・美意識を育てる(3才ごろから芽生える。大人の感覚を押し付けないこと)
参考図書)
『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』久保田カヨ子氏著(ダイヤモンド社)
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