子どもと季節を楽しめる雑学・マメ知識をまとめました。
日常生活の中で、子どもの知的好奇心を大切に育ててみませんか?
今回は、お月見、秋分の日、秋の虫、童謡『虫のこえ』です。
《目次》
お月見の由来
9月の行事で真っ先に浮かぶ『お月見』は、元々は中国から伝わった風習です。
1年で最も明るく美しい満月が見られる、陰暦(旧暦)8月15日(現在の9月20日ごろ)の満月を「中秋の名月」(十五夜)と呼び、その日に月を観賞します。
それを日本では平安時代に、貴族たちが取り入れ月見のうたげを催すようになりました。
やがて江戸時代に入ると庶民に広がり、庶民の間では収穫の時期と重なるために、実りに感謝する行事になっていきました。
したがって、お月見の由来を子どもにわかりやすく説明すると、
「1年で一番美しい月が見える日に、綺麗な月を眺めながら、秋の収穫に感謝する日」
と言った具合です。
お月見のお供え物の意味
お月見のお供え物と言えば、お団子とススキ。お月見自体が「収穫」に深く関連した行事なので、お供え物も然りです。
秋の収穫の代表といえば、お米ですね。
お団子はお米の粉で作ったことから収穫への感謝を表し、その丸めた形状は、月を表しています。
ススキは、本来は稲穂を飾るところを、この時期稲刈りが済んでいないということで、稲穂の代用として似ているススキを使うというのが一つの理由です。
また、魔除けの意味合いも持っていると言われています。
十五夜とは
「十五夜」とは、本来「満月」のことで、満月は1年に12回(うるう年は13回)あります。
月は、満ち欠けを常に繰り返しており、新月から満月になるまでに約15日かかります。そのことから満月のことを「十五夜」と呼ぶようになったのです。
ちなみに2017年の十五夜(中秋の名月)は、10月4日です。
秋分の日って何?
秋分の日は、昼と夜の長さが同じという日です。
昼と夜の長さが同じということはすなわち、太陽が真東から昇って真西に沈むことになります。
また、仏教の世界では西方浄土と言って西には極楽があると言われており、真西に太陽が沈む秋分の日は仏様に祈りを捧げるのに最適な日とされ、お彼岸として先祖供養の日となっています。
秋のお彼岸とは秋分の日前後3日間・計7日間の期間で、ご先祖様の供養を行う期間の事。秋分の日を定めた法律にも、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」とあります。
ちなみに春にもお彼岸があり、こちらも3月の祝日「春分の日」としてお馴染みですね。
秋分の日はいつ?
祝日としての秋分の日は、国立天文台が発行する「暦象年表」を基に毎年決定されています。
というのも太陽が秋分点を通過する日が、その年によって違う為。
その日付は9月23日前後となり、21世紀中は22日か23日のどちらかとなります。
ちなみに2017年は9月23日です。
秋の虫
暑い夏が終わり、秋の到来を告げる代表的なものは、コオロギやスズムシなどの風情を感じさせる虫の鳴き声ではないでしょうか?
涼しくなってくると、蝉に代わって様々な虫の鳴き声が聞こえてきますが、その鳴き声でどんな虫が鳴いているのか、一度おさらいしておきましょう。
スズムシ
リーンリーン
鈴虫は秋になるとペットショップやホームセンターなどで売られている、最も私達に馴染みの深い秋の虫です。
その生息域は北海道から九州までと幅広く、平安時代からその鳴き声を楽しむ為に飼育されて来ました。
マツムシ
チンチロリン
松虫は鈴虫よりもやや暖かい場所を好み、東北南部から沖縄に掛けて棲息する昆虫です。
大きさも 2〜3㎝で、鈴虫より少し大きめです。
比較的開けた場所に生息しているため、人間の開発などの影響をもろに受けてしまいます。
なので、生息数は以前に比べると減少してしまっているようです。
コオロギ
コロコロリー(エンマコオロギ)、キリキリキリ(カマドコオロギ)、リーリーリーなど
コオロギは比較的生息場所を選ばない昆虫ですので、都内でも秋の夜にはその鳴き声を耳にする事が出来ます。
ちなみに一口にコオロギと言っても、エンマコオロギやカマドコオロギなど、いくつかの種類によってその鳴き声も違います。
童謡「虫の声」に出てくるコオロギは、カマドコオロギの様ですね。
クツワムシ
ガチャガチャ
クツワムシは在来種のキリギリスの仲間では、日本最大の大きさで5〜6㎝あります。
関東から九州に生息しますが、近年、めっきり数を減らしている珍しい種類の昆虫になってきています。
クツワムシの体色には個体差があり、褐色型、緑色型の2タイプが知られています。これは遺伝によるものではなく、環境によるものです。
ガチャガチャと鳴く声は、綺麗な虫の音というよりも、うるさいと感じるかもしれませんが、貴重な鳴き声です。
ウマオイ
スイスイ スイーチョン、チョンチョン
大きさは3〜4㎝、緑色が鮮やかな虫で、緑色型のクツワムシによく似ています。
基本的には草原や畑、草の多く茂った公園、河川敷等に生息していることが多く、全国的にも広く生息しています。
『虫のこえ』
あれ松虫が 鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
きりきりきりきり こおろぎや(きりぎりす)
がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫
あとから馬おい おいついて
ちょんちょんちょんちょん すいっちょん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ