お散歩や通園時、子どもが目にする景色に添えられるマメ知識を集めました。
日常生活の中で、子どもの知的好奇心を大切に育ててみませんか?
今回は、紫陽花・かたつむり・梅雨・旬の野菜・6月の歌です。
《目次》
紫陽花(あじさい)の不思議
雨に濡れても元気なことから、5月から7月に花を咲かせ、梅雨の代名詞と言われている紫陽花。
実は、アジサイの花のように見える部分は、萼(ガク)と呼ばれる葉っぱが変化したものなのです。
萼(ガク)は、根から吸収される養分によって色が変わります。酸性ならば青色、アルカリ性ならピンク色へと変化します。
最終的には、花の老化ともいえる現象によって、どの花色も赤やピンク色へと近づいていきます。
酸性の土にはアルミニウムが含まれており、このアルミニウムがアジサイの中のアントシアニンという物質とくっつくことで、花色が青へと変わるのです。
つまり、アジサイはもともとピンク色ということになります。
ただ、根が吸い上げるアルミニウムの量はまちまちなので、同じ場所で育てていても色の濃さが微妙に違うこともよくあります。
萼は種を作りませんが、中央に隠れている5枚の花びらと、10本の雄しべがくっつくことで種を実らせます。
紫陽花は大昔から日本にある?
万葉集の中にもアジサイを詠んだ句があるほど、アジサイは古くから日本人の身近な花でしたが、花色が移り変わることが悪いイメージを連想させ、最初は人気がありませんでした。
人気が出はじめたのは、ヨーロッパから逆輸入されてから。フランスでは「日本のばら」と呼ばれ、ついには桜や椿と並んで日本を代表する花として知られるようになりました。
原産であることからも、日本の気候にあっており、とても育てやすい植物です。
紫陽花には毒がある?
アジサイには、毒があるという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
実際、2008年6月に料理に添えられていたアジサイを食べて中毒症状を訴える事例が大阪府と茨城県で計2件起こりました。
その後の調査によると、毒性が含まれている品種と含まれていない品種が混在していることがわかり、一概に毒性があるとは言い切れないものの、厚生労働省は食用としては使用しないようにと注意を促しています。
もし毒性のあるアジサイを体内に取り込んだ場合、吐き気・めまい・嘔吐・顔面紅潮といった症状が現れ、2~3日で症状が治まるといわれています。
紫陽花の種類
おたふく
日本在来のホンアジサイの枝替わりで、江戸時代からあったと考えられている古代種アジサイです。
花の萼片が内側にまるまって渦を巻くように見えることから、うずあじさいとも呼ばれます。
シュガーホワイト
オランダで育種されたアジサイで、花弁の縁のフリルのような切れ込みとグリーンから純白へと咲き進みます。
土の酸度に影響されない純白のアジサイです。
てまりてまり
八重咲の手まり咲きアジサイでかわいらしい丸弁の花が球状に固まったアジサイです。
墨田の花火
形態は白に近い淡青色、額は剣弁の上品な八重咲ガクアジサイです。
1977年に神奈川県横浜市の民家の庭で発見された株が量産されるようになったようです。
ダンスパーティー
西洋アジサイの「グライスチョイス」とヤマアジサイを掛け合わせて生まれた品種に 三宅常葉(ミヤケトキワ)=「三宅島産の常緑アジサイで、隅田の花火の丸弁にしたような花。」を掛け合わせて生まれた品種です。
八重咲の装飾花の数が多く、細弁でスッキリとした気品に満ち、また、庭植えにもむいているアジサイです
カタツムリの秘密
一般的にカタツムリやデンデンムシと呼ばれるものは、貝類、イカ、タコなどと同じ「軟体動物」種の貝類に属します。
海にすむ貝類に対し、陸にすむものを分けた「陸貝」に分類され、更に殻に蓋をすることができるヤマタニシなどとは別になり、蓋のできないマイマイ科などは「有肺類」と呼ばれます。
分類上は有肺類ですので、「肺」があるのです。
つまり貝類なので乾燥は苦手なのですが、エラ呼吸でないので水中では生きられないのです。
ですから雨が降ると、水没する可能性のある地面から避難して、葉っぱの上など高い場所に逃れようとするのですね。
国内種のカタツムリは、1ミリほどの小さな種から殻の直径が6センチを超えるアワマイマイという種まで大きさはまちまちです。
アフリカには、殻の直径が20センチ、体長が40センチにもなる巨大な種も存在します。
寿命は1年程度の種もいますが、中型のもので2~3年、大型の種になると10年以上生きる個体もいます。
カタツムリの意外と知られてない構造
カタツムリの殻は本体と一体のもので、筋肉でしっかりと繋がれています。
ですから出した身体を引っ込めて、殻の中に閉じこもることができるのです。
また殻の中に内臓などの器官がありますので、殻から無理やり引き出せばナメクジになるどころか、死んでしまいます。
ナメクジがヤドカリのように殻に入ってカタツムリになり、ときどき抜け出しては殻を取り替える・・ということではありません。
カタツムリには、生まれた時から殻があります。
最初は『の』の字型の小さなもので、成長に従って外巻きに入り口の部分を足して延ばしていくことで大きくなります。
カタツムリの角(ツノ)ってなに?
カタツムリには、角(触覚)が4本あります。
大小2対あり、前側にあるのが小触覚といい、ニオイを感じるセンサー、つまり嗅覚が存在します。
後ろ側にあるのが大触覚でこれが目になります。ただし視力はほとんどなく、明暗を感じることができるくらいだと言われています。
カタツムリには歯がある?
カタツムリの舌には、何と!小さい歯が何本も(1 万本以上)ならんだ歯舌があります。
カタツムリはこの歯舌を歯のかわりに使っています。
歯舌はやすりのような形をしていて、これを前後に動かしながら、葉などをけずり取って食べます。
歯舌は使っているうちにすりへってきますが、奥から新しいものが次々と作られて、何度でも生えかわるのです。
ちなみに聴覚はありませんので、音に対しては反応しません。
カタツムリの歌・・「でんでんむしむしかたつむり~」のあとに、角出せ、槍だせ、頭出せと続きますが、角は触角のことで、槍は生殖器を指しています。
カタツムリは紙も食べる
カタツムリは、ほとんどの種が植物食性で葉や菌類などを食します。
またセルロースを分解できる消化酵素を持つので、紙類を食べることができます。
新聞紙なども十分エサになるのです。
一部存在する肉食のカタツムリは大型のものが多く、同じ陸貝やミミズなどを捕食します。
カタツムリには寄生虫がいる?
カタツムリに寄生するものに広東住血線虫がいます。
日本では平成12年に沖縄県で初めて女児の死亡例がありましたが、カタツムリを触ったり生食した場合に、この幼虫は口や傷口などから人体に侵入します。
胃壁を貫通して血管やリンパ管に入り、脳やせき髄、眼などに達します。
脳に達したものは、2週間ほどの潜伏期間を経て、好酸球性髄膜脳炎を引き起こします。
激しい頭痛や手足のけいれんや麻痺に見舞われ、最悪の場合死にいたることがあります。
眼に侵入した幼虫は失明させるなど、重大な障害を起こすこともあります。
本土にいるカタツムリには広東住血線虫はまだ寄生していないようですが、温暖化の影響で北上してくる可能性はあります。
しかし、その他の寄生虫は数多くいますので、カタツムリを触ったら、きれいに手を洗うに越したことはありません。
また絶対に生食することは避けなければなりません。
生食さえしなければ、問題なく食べられます。
フランス料理の高級食材として『エスカルゴ』が有名ですが、ヨーロッパでは広く一般的に食べられており、日本でも元々カタツムリを食べる習慣があります。
カタツムリの卵も、ホワイトキャビアと称して、ビン詰などで売り出されています。
食用のカタツムリは衛生管理がなされた飼育場で養殖されていますので、寄生虫の心配はありません。
梅雨ってなあに?
梅雨(つゆ、ばいう)は東アジアだけにみられる雨季で,6月上旬より7月上旬にかけて日本の南岸から中国の長江流域にかけて前線(梅雨前線)が停滞して長雨を降らせる現象です。
そもそも前線というのは、気団(空気の塊)と気団がぶつかりあったところにできます。
日本に夏をもたらす暑くて湿った気団によって作られる高気圧である太平洋気団と、冷たくて湿ったオホーツク海気団が、日本列島の真上当りでおしくらまんじゅうをしてできたのが梅雨前線です。
前線の上では、雨や雪が多くなります。
暖気と寒気がぶつかり合うことで上昇気流が生まれ、上昇した空気が冷やされて、空気に含まれていた水蒸気が雨となって降るのです。
そしてその「おしくらまんじゅう」に太平洋気団が勝てば、暑い夏の到来となる訳です。
梅雨は南寄りの季節風が直接あたる九州,四国,近畿,東海地方で顕著であり,この期間の降水量は年降水量のほぼ1/3に達します。
また、梅雨の間はカビやばい菌が繁殖しやすく、食中毒などの危険も高くなります。
食品が傷みやすい時期なので、作り置きなどはなるべく避けて、早め早めに食べ切りましょう。
旬の野菜を知ろう
6月に美味しい旬の時期にあたる野菜はまだまだサヤエンドウやスナップエンドウ、ソラマメが美味しいです。
そして、このあたりから枝豆や、キュウリやゴーヤー、オクラ、ズッキーニ、なす、ピーマンなど、夏野菜と呼ばれる物が出そろってきます。
梅雨の時期は、気温の差が激しいので体温調節が難しく、体調を崩しやすい時期でもあります。
体調を整えるためにも旬の美味しい野菜を沢山食べましょう。
6月の歌
『カエルの合唱』
♪ かえるのうたが
きこえてくるよ
クヮ クヮ クヮ クヮ
ケケケケ ケケケケ(注)
クヮクヮクヮ
注:この部分は、「ケロケロケロケロ」、「ゲゲゲゲゲゲゲゲ」、「ゲロゲロゲロゲロ」などとも歌われる。
『かたつむりの歌』
♪ でんでんむしむし かたつむり
おまえのあたまは どこにある
つのだせやりだせ あたまだせ
♪ でんでんむしむし かたつむり
おまえのめだまは どこにある
つのだせやりだせ めだまだせ
『あめふり』
♪ あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
♪ かけましょ かばんを かあさんの
あとから ゆこゆこ かねがなる
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
♪ あらあら あのこは ずぶぬれだ
やなぎの ねかたで ないている
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
♪ かあさん ぼくのを かしましょか
きみきみ このかさ さしたまえ
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
♪ ぼくなら いいんだ かあさんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
※歌詞に登場する「じゃのめ」とは、いわゆる「蛇の目傘」(中を白く周辺を黒・紺・赤などで太く輪状に塗って、蛇の目模様を表した紙製の雨傘)を指しています。江戸時代から広く用いられました。
『あめふりくまのこ』
♪ おやまにあめが ふりました
あとから あとから ふってきて
ちょろちょろ おがわが できました
♪ いたずら くまのこ かけてきて
そうっと のぞいて みてました
さかなが いるかと みてました
♪ なんにも いないと くまのこは
おみずを ひとくち のみました
おててで すくって のみました
♪ それでも どこかに いるようで
もいちど のぞいて みてました
さかなを まちまち みてました
♪ なかなか やまない あめでした
かさでも かぶって いましょうと
あたまに はっぱを のせました
☆最後までお読みいただきありがとうございます。