こどもが「自分のことは自分でする」ためには、大人が必要なものを準備し、子供がのびのびと活動できる場を用意しておくことが大切です。
子供が自主的に行動できる場を整え、大人がゆったりと見守ることのできる環境が、子供にとって最適な状態です。
《目次》
想像力は体験することで育つ
子供が大人の真似をしたがる時、手助けしてしまったり、危ないからダメと言ってやらせない事、ありますよね。
危なくない環境を日ごろから整えておく事も大切ですが、大人がゆっくりとお手本をみせ、手助けや助言(注意)をしながら、できそうなところはできるだけやらせてあげようという、大人の心の持ち方も必要です。
子供の「やりたい」が、やらせどき(学ばせどき)、成長のチャンスなのです。
また、たくさんの「できない」を抱える乳幼児にとって、できるまで繰り返しする、という環境は、とても大事です。
大人はつい、横から手や口を出してしまいますが、それでは子供は納得いきません。なぜなら、子供にとって「できる」は理屈ではなく、体感することだからです。
モンテッソーリが残した名言で、「『ひとりでできること』を手伝ってください」という言葉があります。
子供が知りたいのは結果ではなく、やり方(=やってみたい、体験してみたい)のです。そして、「自分でできた」という実感が、運動能力のみならず想像力や思いやりといった力も成長させます。
「自分でできた」を助ける道具
ぞうきんや、調理用具などは、子供のサイズにあったものを用意します。
踏み台は、子供が自分で必要な時に移動させられるよう、軽くて運びやすいものを。
おもちゃや衣類の収納には、小さい子でも自分で片づける場所がわかるように、イラストや写真を引き出し等に貼ります。
脱いだ衣類をいれる籠、バスタオルをかけて置く場所、おでかけ用のリュックや帽子を置く位置など、子供の手の届く位置にします。
掃除機も、ハンディの軽いものを用意したり、洗濯物のたこ足ハンガーも子供が扱いやすい小さいものを用意すると、お手伝いが楽しくできます。
大人の心がけ
子供は生活習慣のほとんどを、まわりの大人やほかの子供の姿を通して身に着けていきます。挨拶やおもてなし等、他人とのかかわり方や価値観などは、言葉での説明より大人の振る舞いを見て、自然と習得するようになります。
まずは、大人の日ごろの振る舞いについて考えてみる事も必要かもしれません。
子供に何かを新しい事をやらせる時に、注意するポイント
1.ひとつ一つの動作をゆっくりと見せる
口であれこれ説明するより、黙ってゆっくりと動作を見せる方がよいとされています。
2.動作を順序だてる
例えば手を洗うにしても、①腕まくりをする②石鹸を用意する③水を出す・・・
などの様に、順序だてる習慣は、子供の計画性や先を見通す力を伸ばします。
3.できないことは大人の姿をみせる
例えばお片付けできない場合は、大人が片づけている姿を見せます。また片づける場所は明確か、数が多すぎないか、などのチェックの大切です。
4.「手伝ってもいい?」ということばがけを
どこが難しいかを観察し、そこを手伝ってあげるだけで子供は達成感を味わうことができます。そのときは急に手を出さず、「手伝ってもいい?」という言葉をかける事でスムーズにいきます。
5.繰り返すのは向上心の表れ
何度も同じ事を繰り返している時、「もういいでしょ」と言わず、気持ちが満足するまでやらせてあげましょう。
参考図書)おうちでできるモンテッソーリの子育て(クレヨンハウス)
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