運動神経の発達の黄金期と言われる「ゴールデンエイジ」に、これだけはやっておきたい運動『コーディネーショントレーニング』の方法を紹介。リズムダンスやラダートレーニング、じゃんけんなど親子で遊びながらできるものも紹介します。
<ゴールデンエイジにについての記事はこちら>
≪目次≫
ゴールデンエイジに養いたい運動神経とは
ゴールデンエイジに養いたい運動神経とは、目や耳などから入ってきた情報から脳が的
確に判断し、身体の各部を動かす神経回路で、この能力のことを「コーディネーション能力」と呼んでいます。
世界的に活躍するスポーツ選手においても、ゴールデンエイジの間は専門の種目のトレーニングに絞ることはせず、コーディネーションの能力を伸ばすことを重視しています。そうすることで、ゴールデンエイジを過ぎてからの伸びしろが大きくなるためです。
逆に、ゴールデンエイジの間に「コーディネーショントレーニング」をしっかりやっておかないと、その後の運動能力が思うように伸びないということです。
コーディネーショントレーニングとは
コーディネーショントレーニングとは、主に7つの能力を伸ばすことを目的としたトレーニングです。それは、「リズム能力」「バランス能力」「変換能力」「反応能力」「連結能力」「定位能力」「識別能力」です。
それぞれについて見ていきましょう。
<リズム能力>
・・・ リズム感を養い、動作のタイミングをうまくつかむ能力
リズム能力とは、ボールを受け取るタイミングや、一定の動作を繰り返すテンポ感、人の動きを真似して頭の中で描いたイメージを身体で表現する能力です。この能力を養うためには、スキップやケンケンパなどのほか、ダンスをしている人を真似して、自分の身体をリズミカルに動かす練習がおすすめです。
また、一般社団法人スポーツリズムトレーニング協会が紹介している「リズムトレーニング」も効果的だとされています。
<バランス能力>
・・・ バランスを保ち、崩れた態勢から正しい姿勢へ立て直す力
バランス能力とは、運動に伴う姿勢を維持する「平衡機能」と、関節や筋力を柔軟にコントロールし、正しい姿勢を維持する「運動能力」とがあり、空中や動作中など不安定な体勢でもバランスを維持することができる能力です。
片足立ちで何秒姿勢を保てられるか? に代表されるように、バランスを崩しやすい姿勢で重心をコントロールしながら行う運動を通して鍛えることができます。FIFA 11+FOR KIDS MANUALで紹介している『スケートジャンプ』というトレーニングが参考になります。
▼バランスストーンなら部屋の中でも楽しめます。
ジャンプしてバランスをとりながら着地するシンプルな遊具なので幼児でもOKです。
<変換能力>
・・・ 状況の変化に合わせて、素早く動きを切り替える能力
変換能力とは、相手の動作に合わせて自分の動きを切り替える能力で、「情報処理能力」とも呼ばれます。得た情報から状況を適切に判断して行動するトレーニングとして「じゃんけんトレーニング」などで、楽しく鍛えることができます。
◆じゃんけんトレーニングの紹介
〈その1〉 2人1組でじゃんけんをし、勝った人が万歳のポーズなど自由にポーズをし、負けた人は勝った人のポーズの真似をする。
・・・すばやく正確に真似ができるかな?
〈その2〉 2人1組で、1人がグー・チョキ・パーのいずれかを出し、もう1人がそれに勝つように後出しじゃんけんをする。
・・・間違えずに何回じゃんけんを続けられるかな?
<反応能力>
・・・ 合図に素早く反応して動く能力
反応能力とは、合図に素早く反応する能力のことで、徒競走の「よーいドン」で反応良く走り出すことができる能力などを指します。1つのものに反応する「単純反応」と複数のものに反応する「選択反応」があり、予測された合図だけでなく、予測されていなかった信号に対しても、正しい反応を即座にできる能力をいいます。
◆反応能力をきたえるトレーニング
〈その1〉 赤白旗の上げ下げ: 両手に色違いの旗(タオルや色紙などでも可)を持ち、指示に従って上げ下げする。
〈その2〉 ボールの上げ下げ: ボールを胸の位置で持ち、指示に従って上に投げたり下にバウンドさせたりする。
<連結能力>
・・・ 身体の各部の動きを連結させて身体全体をスムーズに動かす能力
連結能力とは、関節や筋肉などの身体の各部の動きをタイミングよく同調させるコンビネーション能力のことで、わかりやすく言うと「ながら運動」がうまく出来る能力を指します。走りながらドリブルをしたり、ジャンプしながらシュートするなどの際に必要となる能力です。
◆連結能力をきたえるトレーニング
〈その1〉 起立の状態からジャンプとともに手足を横に上げて大の字になるという動作を繰り返した後に、横に上げるタイミングを手足でずらして行う
〈その2〉 右手で左足、左手で右足をタッチする「クロスタッチ」
〈その3〉 スキップしながら身体の前後ろで手を叩く
<定位能力>
・・・ 動いているものと自分の位置関係を把握する能力
定位能力とは、相手やボールなどと自分の位置関係を正確に把握する能力で、「距離感」と「空間認知」の2つが必要です。
◆距離感・空間認知能力をきたえるトレーニング
〈その1〉目的地を決めてから目隠しをし、見えない状態のまま目的地へ近づく
〈その2〉風船やボールなどを上に投げてキャッチする。
〈その3〉キャッチボールやリフティングなど
<識別能力>・・・ 手足やスポーツ用具などを上手に操作する能力
視覚で得た情報にタイミングを合わせ、程よい力加減で身体の各部を正確に同調させる能力をさします。
◆識別能力をきたえるトレーニング
〈その1〉ボールを上に投げ、キャッチするまでになるべく多く手を叩く。手を叩くほか、1回転したり、後ろ手でキャッチするなど
〈その2〉テニスボールを1個ずつ両手に持ち、上に同時に投げる。片方を高く、もう片方を低くして投げるなどアレンジする。
〈その2〉お手玉を3個以上で回す。
コーディネーション能力全般を鍛えられるとして人気なのが、スピードラダーを使ったラダートレーニングです。
公園への落ち運びも容易で、また庭先や廊下などでもトレーニング可能。値段もお手頃なので、試してみてはいかがでしょうか。
コーディネーショントレーニングを行う上で注意したいことは、「トレーニング」として子どもに強制してはいけないということです。特に「プレゴールデンエイジ」にあたる幼児~低学年に対しては、遊びの延長として楽しく行うことで、ぐんぐん力を伸ばす道筋となっていくことでしょう。
<最後までお読みいただき、ありがとうございました>
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