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日本の国際学力の現状〜驚きの結果?

日本の子ども達の未来を憂うなか、国際学力の動向が一つの指標として挙がってきます。日本の教育水準は世界的に見て上がっているのか?下がっているのか?と気になるなか、12月17日に「スプリックス基礎学力研究所」による子どもの基礎学力についての調査結果が発表されました。

その結果によると、なんと10歳未満の子どもの基礎学力が11カ国中9位と思いのほか残念な結果に! 

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そこで、「スプリックス基礎学力研究所」による調査の詳細について、「OECD」や「TIMSS」といった他の国際学力調査の結果も合わせて紹介し、日本の子どもの学力が、世界の他の国々と比較してどのような状況なのかについて、詳しく見ていきましょう。

 

≪目次≫

 

スプリックス基礎学力研究所による学力調査結果(2020) 

スプリックス基礎学力研究所とは、学習塾運営と教育コンテンツ制作会社として20年以上の実績がある株式会社スプリックスが運営する研究所です。今回、グローバルにおける日本の教育実態を把握するために、子どもの基礎学力を測る学力調査を以下の概要で実施しました。

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【調査対象国】11ヵ国(日本、アメリカ、中国、インド、イギリス、フランス、ポーランド、タイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー)

【調査者】 各国1,000人の6~15歳の子どもたち

【調査方法】50問の計算に関する基礎テスト

【実施期間】 2020年8~9月

【調査手法】 インターネット調査

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◆調査結果と考察

6~15歳全体の総合結果では日本は11ヵ国中4位である一方、注目すべきは10歳未満の結果が11カ国中9位であるということです。

 

▼各国の順位はこちら(スピックス基礎学力研究所HPより引用)

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いっぽうで、10歳~15歳のみで比較すると、インドや中国よりも平均正答率が高いという結果になっています。

▼国別年代別平均正答率(スピックス基礎学力研究所HPより引用)

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スピックスの意識調査から読み取れること

同調査では「子どもの勉強に関する意識調査」も行っており、日本の子どもたちは「計算が好き」と答えた割合が57.1%、「読書が好き」が53.9%と、世界の平均より各20%以上低い結果に

また、勉強への自信についても「計算には自信がある」が49.1%、「読解力には自信がある」が30.0%と他国より極めて低い結果となっています。

 

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面白いのが、保護者へのアンケート調査も行っており、「基礎学力は大切だと思う」と答えた日本の保護者の割合は 95.9%と、11 ヵ国全体平均の 94.3%よりも上回っているいっぽうで、基礎学力について「向上させる努力をしている」と回答した日本の保護者は58.0%にとどまり、他国と比べて30%ほど低いことです。

 

つまり、日本において10歳未満と10歳以上とで結果に乖離があるのは、塾による成果である可能性が想定され、子どもたちは塾などで日頃順位争いの中にいるため、学習に対する意欲や自信が低い結果となっていると考えられます

 

▼参考文献)スプリックス基礎学力研究所による調査結果原文

https://sprix.jp/pdf/news20201217.pdf

 

 

IEA(国際教育到達度評価学会)による調査結果『TIMSS』(2019)

IEAとは、アムステルダムに本部をおく非営利の国際学術研究団体で、1995年から4年ごとに行っている『TIMSS』(Trends in International Mathematics and Science Study)と呼ばれる算数・数学及び理科の到達度に関する教育調査は、教育政策立案にも影響を及ぼしています。

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2019年調査結果について紹介します。

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【調査対象国】58か国の小学校、および39か国の中学校

【調査者】 小学校4年生約4200人(147校)、中学校2年生約4400人(142校)

【調査方法】学校のカリキュラムで学んだ知識や技能等がどの程度習得されているかを評価(選択肢が中心)

【実施期間】 2019年2~3月

【調査手法】 筆記型調査とコンピュータ使用型調査の選択制(日本は筆記型で参加)

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◆調査結果と考察

 ●小学4年生の算数:シンガポール、香港、韓国、台湾に次いで、日本は5位

小学4年生の理科:シンガポール、韓国、ロシアに次いで、日本は4位

中学2年生の数学:シンガポール、台湾、韓国に次いで、日本は4位

中学2年生の理科:シンガポール、台湾に次いで、日本は3位

 

小学4年生の理科が、前回調査の3位から4位へと下がっているものの、この調査結果を見ると58カ国中の5位(算数)、4位(理科)なら好位置にあるように感じます。

しかし、前述のスピックス基礎学力研究所の結果で上位国となっている国々(インド、中国、タイ、インドネシア)がこの調査には参加していないことにも、注目しておかなければならないでしょう。

 

▼参考文献)国立教育政策研究所によるTIMSS2019の考察

https://www.nier.go.jp/timss/2019/point.pdf

 

 

OECD(経済協力開発機構)による調査結果『PISA』(2018)

OECDは、ヨーロッパ諸国を中心に35ヶ国の先進国が加盟する国際機関で、1,900名を超える専門家によって、経済や社会の幅広い分野において活動しています。

1997年から3年ごとに行っている学習到達度調査『PISA』(Programme for International Student Assessment)では、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で実施(2018年調査は読解力が中心分野)。

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2018年の調査結果を紹介します。

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【調査対象国】35か国

【調査者】 15歳児(高校1年生)

【調査方法】 知識や技能等を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価(記述式が中心)

【実施期間】 2018年6~8月

【調査手法】 コンピュータ使用型調査

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◆調査結果と考察

読解力:11位(1位:エストニア、2位:カナダ、3位:フィンランド)

数学的リテラシー:1位(2位:韓国、3位:エストニア)

科学的リテラシー:2位(1位:エストニア、3位:フィンランド)

この調査結果によると、数学的リテラシーと科学的リテラシーは、世界トップレベルを維持していますが読解力については、全体平均よりは高いグループに位置しているものの、前回調査(2015年実施)よりも平均点・順位ともに低下しているのが気になるところです。

 また、この調査においてもTIMSSと同様で、スピックス基礎学力研究所の結果で上位国となっている国々(インド、中国、タイ、インドネシア)がこの調査には参加していません。

 

▼参考文献)文部科学省・国立教育政策研究所によるPISA2018の考察

https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

 

まとめ

以上3つの学力についての国際調査結果を見ると、日本における問題点として挙げられるのは、家庭や学校において低年齢のうちから学習に対する楽しさや意欲を高めること、そして読解力の強化(低下を止める)ことがポイントだと言えるでしょう。

また同時に、インド、中国、タイ、インドネシアの学力について脅威を持つ必要があるかもしれません

 

<最後までお読みいただきありがとうございました>

 

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